「Video2X」は、誰でも無料で利用できる動画高画質化ソフトですが、「どう使えばいいの?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、初心者の方にもわかりやすいように、Video2Xの導入方法や基本的な使い方、設定のポイントを丁寧に解説します。
「Video2Xを使ってみたいけど不安…」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
Video2Xは完全無料で利用できる優れたツールですが、処理速度や安定性、画質の面では限界もあります。
本格的な仕上げりを求める場合は、業界標準ともいえる「Topaz Video AI」の活用を強くおすすめします。

Topaz Video AIの特徴
- 最大16K解像度までアップスケール可能で、他のツールを圧倒する高性能。
- 豊富なAIモデル、どんな画像でも高画質・高精細に。
- 高度なフレーム補間、最大16倍のスローモーションを実現。
- 手ぶれ補正、シャープ化、顔補正、HDR変換など、プロ向けの多彩な機能を搭載。
- After EffectsやDaVinci Resolveのプラグインとしても使用可能。
目次
そもそもVideo2Xって?
Video2X(ビデオ・ツー・エックス)は、Linux/Windowsに対応しており、GitHubで公開されているオープンソースのソフトウェアです。
AI(人工知能)技術を駆使して、主に以下の2つの機能を提供しています。
①アップスケーリング:AIが低解像度の映像を解析し、失われた情報を補完して高解像度で鮮明に変換。
②フレーム補間:フレーム間に新な中間フレームを生成し、フレームレートを高めて滑らかな映像に変換。
Video2Xは、Waifu2x、SRCNN、Real-ESRGANといったAIモデルを活用しており、フレームごとに画像を処理して最終的に動画として再構成する仕組みです。
特に、アニメやゲーム画面、ドット絵のような輪郭がはっきりした映像との相性が良く、滑らかで高精細な仕上がりを実現できます。
Video2Xをダウンロードとインストール
Video2Xを使って動画を高画質化するにはダウンロードする必要があります。
まずは、GitHubのVideo2X公式ページ(https://github.com/k4yt3x/video2x)にアクセス。
次に、表示された画面で「Latest」と書かれたリンクをクリックしてください。

その後、ページを下にスクロールし、「Assets」セクションから、お使いのパソコンのOSに合ったファイルを選んでダウンロード。

ダウンロードが完了したら、インストーラーをダブルクリックして起動。

次に、インストール先を指定して「Next」をクリック。

続いて、ショートカットを作成することに関するオプションの画面になる。変更が不要であれば、そのまま「Next」をクリック。

「Install」をクリックしたら、インストールが開始。

「Finish」をクリックすると、Video2Xのインストールは完了!

Video2Xの画面構成
Video2Xを操作するときに、まず覚えたいのが画面構成です。
導入するソフトのバージョンによって多少異なることがありますが、基本を押さえておけばどのバージョンのVideo2Xを選んでもスムーズに始められます。

ソフトを起動して最初に表示される画面には、メニューバー(ファイル/編集/ヘルプ)が配置されています。
その下には、処理タスクを操作するためのツールバーが並んでいます。
中央には、動画や画像をドラッグ&ドロップして追加できる作業エリア(ドキュメントタブ相当)があり、ここで処理対象ファイルの一覧や進行状況を確認できます。
画面下部には「統計」「開始」「ログ」などの操作ボタンが配置されており、処理の実行や状態の確認が可能です。
このように、Video2Xはシンプルながらも、作業に必要な機能が整理された分かりやすい構成になっています。
Video2Xの日本語化
Video2Xは、標準で日本語に対応しています。
パソコンの表示言語が日本語に設定されていれば、インストール時に自動で日本語表示になります。
もし英語など別の言語で表示されてしまった場合でも、以下の手順で日本語に変更できます。
① メニューバーの「編集」から「設定」をクリック。
② 表示されたウィンドウの「一般」タブにある「言語」オプションで「日本語」を選択し、「OK」をクリック。

これで、Video2Xを日本語で利用できるようになります。
Video2X基本的な使い方
ここでは、Video2Xを使った基本的な操作の流れをご紹介します。
① 動画を追加する
処理したい動画ファイルを、画面上の赤い枠内にドラッグ&ドロップします。

② 処理設定を調整する
ファイルを追加すると、自動的にタスク設定画面が表示されるので、処理内容に応じて各種オプションを設定します。

③ 処理を開始する
「開始」ボタンをクリックすると、選択した内容(高画質化またはフレーム補間)に応じた処理がスタートします。

④ 処理の完了と保存
処理が完了したら「OK」をクリックして終了です。変換後の動画ファイルは、元の動画と同じフォルダに自動的に保存されます。

動画高画質化におすすめの設定方法【アップスケーリング】
アップスケーリング処理では、フィルターの選択やスケーリング倍率などの設定次第で、仕上がりの画質や処理時間に大きな差が出ます。
ここでは、初めて使う方でも迷わず設定できるように、処理の設定をわかりやすく解説します。
【基本的な設定】
- Vulkanデバイス(GPU)の選択: 複数のGPUを搭載している場合は、使用したいGPUを選んでください。
- 処理モード: 「フィルター(アップスケール)」を選択してください。
- 【フィルターを選択】:Real-ESRGAN、Libplacebo、Real-CUGANからいずれかを選択。

【フィルターの詳細設定】
ここでの「フィルター」は、動画を高画質化する際に使用するAIモデルのことだと考えて構いません。
それぞれのフィルターには特性があり、用途に応じて使い分けることが大切です。
✔ Real-ESRGAN
特徴:高精度で汎用性が高く、自然なディテールの再現に優れる。
おすすめ用途:実写動画や写真、幅広いジャンルの映像に対応。

Real-ESRGANのオプションでは、3つのモードが選択できます。
- realesr-animevideo v3: アニメや動画向けに特化しており、動画におけるちらつきや不自然さを抑えつつ高画質化。
- realesrgan-plus: 写真や一般的な画像全般に適しており、幅広いコンテンツで高精細なアップスケーリングを実現。
- realesrgan-plus-anime:「realesrgan-plus」をベースに、アニメやイラストの線画や色合いをよりきれいに処理。
スケーリングサイズを2、3、4倍を選択可能です。最終的に必要となる解像度に合わせて選択しましょう。
例えば、フルHD(1920×1080)の動画を4K(3840×2160)にしたい場合は2倍、さらに高解像度を目指すなら3倍や4倍を試してみると良いでしょう。
※ただし、拡大率が高いほど処理時間も長くなり、元の動画の品質によっては不自然さが増す可能性もあります。まずは2倍から試して、必要に応じて拡大率を上げていくのがおすすめです。
✔ Libplacebo
特徴:軽量で処理が高速。ノイズ除去などの補正効果は限定的。
おすすめ用途:処理速度を重視したい場合や、素材がそこまで荒れていない動画に最適。

Libplaceboのオプションでは、以下のような7つの GLSL シェーダーが選択可能です。
- Anime4K v4 Mode A: シャープネスを強調し、輪郭をくっきりさせる基本モード。
- Anime4K v4 Mode A+A: Mode Aを2回適用することで、より強いシャープネス効果を得るモード。
- Anime4K v4 Mode B: Mode Aよりも自然な見た目を保ちつつ、ノイズを低減しながらシャープネスを適用するモード。
- Anime4K v4 Mode B+B: Mode Bを2回適用することで、より強力なノイズ低減とシャープネス効果を得るモード。
- Anime4K v4 Mode C: 線のギザギザ(ジャギー)を滑らかにするアンチエイリアシングに特化したモード。
- Anime4K v4 Mode C+A: Mode Cでジャギーを滑らかにした後、Mode Aでシャープネスを適用する複合モード。
- Anime4K v4.1 GAN: 機械学習(GAN)ベースで、より高度な画質向上とディテール再現を目指す実験的なモード。
✔ Real-CUGAN
特徴:アニメやイラスト向けに最適化されており、色や線の再現力に優れる。
おすすめ用途:アニメ・ゲーム映像、ドット絵など輪郭がはっきりした素材に最適。

Real-CUGANオプションでは、以下のような3つのモデルが選択可能。そして、スレッドと同期ギャップを設定可能
- models-se:ノイズ除去と高精細化のバランス重視。
- models-nose:ノイズ除去なし。元映像の細部をそのまま残したい場合に適。
- models-pro:より強力なノイズ除去と補正を行う高精度モデル。
- スレッド(Threads):CPUの並列処理数を指定。
- 推奨:自分のPCの物理コア数または論理コア数に応じて設定(例:8スレッドCPUなら6〜8程度が目安)。
- ※多すぎると逆に不安定になる場合もあるので注意。
- 同期ギャップ(Sync Gap):映像と音声のズレを調整する値。
- 推奨:基本はデフォルトで問題ありませんが、音ズレが出る場合は±数値で微調整してください。
Video2Xのフレーム補間におすすめの設定方法
動画のフレームレート上げるために、まず、「処理モード」で「フレーム補間」を選択しましょう。

続いて、「フレーム補間のオプション」に進み、各設定を調整していきます。

① フレームレートの倍数
通常は「2倍」がおすすめです。30fps → 60fpsのように滑らかさが大きく向上します。必要に応じて3倍以上も選択可能です。
② シーン変更検出の閾値
これはシーンが切り替わる瞬間をどれだけ検出するかの設定です。誤検出を防ぎたい場合は、やや高め(例:40〜50)に設定するとよいでしょう。
③ RIFEモデルの選択
「RIFEのオプション」では、使用するAIモデル(補間アルゴリズム)を選択できます。
- 安定性重視なら:RIFE v4.25またはv4.26
- 処理速度重視なら:RIFE v4.25 Lite
- 新しいモデルを試したいなら:RIFE v4.6
それぞれ微妙に特性が異なるため、用途やパフォーマンスに応じて選びましょう。
感想
Video2Xは、無料で使えるにもかかわらず、AIによる高画質化やフレーム補間といった高度な機能を備えており、非常に優秀なソフトだと感じました。
処理にはある程度のマシンパワーが必要ですが、設定次第で自分の環境に合わせて最適化できる点も好印象です。
インターフェースも直感的で、日本語化すれば初心者でも扱いやすくなるのが魅力です。
アニメや古い映像を滑らか&高精細に蘇らせたい方には、ぜひ一度試してみてほしいツールです。