会議の議事録作成、オンラインセミナーの要約、YouTube動画の字幕付けなど、動画の内容をテキストにする作業は、意外と多くの場面で必要になります。
しかし、一つひとつ手で入力していくのは非常に手間がかかり、根気のいる作業ですよね。
この記事では、「動画の文字起こしを無料で、しかも簡単に」実現するための方法を詳しく解説していきます。
動画編集ソフトの文字起こし機能を使う方法
多くの動画編集ソフトには、カットやエフェクトに加えて自動文字起こし機能が搭載されており、長時間の動画に字幕を入れる際に便利です。
ただし、この機能は多くの場合有料で、Filmora、PowerDirector、CapCut、DaVinci Resolveなど主要ソフトも有料版でのみ利用できます。
そこでおすすめなのが、プロも使用する Adobe Premiere Pro(無料版)です。
Premiere Proには精度の高い自動文字起こし機能が標準搭載されており、日本語を含む13言語に対応しています。
有料ソフトですが、7日間の無料トライアルでこの機能を気軽に試すことができます。
【メリット】
- 編集と文字起こしを一度に行える
- 字幕のタイミング調整やデザイン編集も可能
【こんな方におおすすめ】
- 動画編集も同時に行いたい人
- YouTube用動画や教材動画を制作している人
【基本的操作手順】
①. タイムラインで自動文字起こしをしたい動画クリップを選択する。

②. メニュにある「ウィンドウ」→「テキスト」をクリックする。

③. 文字起こしタブで青い「文字起こしを開始」を押す。

④. 自動で文字起こしされるので校正して完了。

動画の文字起こしに特化したツールを利用する方法
動画を正確にテキスト化したい場合は、文字起こしに特化した専用ツールを使うのが効果的です。
その中でも特におすすめなのが、オープンソースで開発され、完全無料かつローカル環境で動作する「Vibe」です。
VibeはWindows・macOS・Linuxに対応しており、OpenAIの高精度な音声認識モデル「Whisper」をベースにしているため、シンプルな操作で高品質な文字起こしを実現できます。
処理が速く多言語にも対応しているほか、出力形式もTXTやSRTなど幅広く、字幕作成や会議記録の整理に活用可能です。
さらに、YouTube動画のURLを入力するだけで自動的にテキスト化できる点も大きな魅力です。
【メリット】
- 高精度でスピーディに文字起こし可能
- 多言語対応、出力形式も豊富(TXT, SRT など)
【こんな方におおすすめ】
- 会議記録や字幕データを効率よく作成したい人
- 高品質な文字起こしを求める人
【Vibeの使い方(基本ステップ)】
①. GithubからVibeをダウンロードしてインストールする。
※ ダウンロード先:https://thewh1teagle.github.io/vibe/
②. Vibeを起動して、言語(例:Japanese)を指定してから、「Select File」から文字起こししたい動画を読み込む。

※ YouTubeの動画の場合は、リンクマークをクリックしてURLを直接入力することも可能。
③.「Transcribe」をクリックすると、文字起こしが開始。

④. 文字起こしが完了すると、画面下部にテキストが表示される。

⑤. テキストは、コピーしたり、SRTやTXTなど様々な形式で保存したりすることができる。
Windows 11の標準機能「ライブキャプション」を使う方法
Windows 11には「ライブキャプション」という文字起こし機能が標準で搭載されています。
この機能をオンにすると、パソコンで再生中の動画や音声を自動的に解析し、リアルタイムで字幕として表示してくれます。
追加のソフトをインストールする必要がなく、すぐに使えるのが大きなメリットです。
ただし、文字起こしされたテキストをファイルとして保存する機能はなく、あくまでリアルタイムで内容を確認するための機能となっています。
【メリット】
- 標準搭載で追加ソフト不要
- リアルタイムに字幕を確認できる
【こんな方におおすすめ】
- 無料で手軽に文字起こしを試したい人
- 会議中やカフェなどで字幕を見ながら作業したい人
【使い方の流れ】
①. Windows 11でショートカットキー「Win + Ctrl + L」 を押す。

②. 画面上部にキャプションバーが表示され、自動的に音声の文字起こしが始まる。

③. 設定から、文字のサイズや表示位置を調整することも可能。

動画配信サービスの自動字幕機能を使う方法
YouTubeやTikTokなどの動画配信サービスには、自動で字幕を生成してくれる便利な機能があります。
動画をアップロードするだけで自動的に字幕が作成される仕組みで、公開したくない場合は公開範囲を「限定公開」や「非公開」に設定すれば、他の人に見られる心配もありません。
今回はその中からYouTubeを例に、具体的な使い方や注意点を紹介します。
【メリット】
- 動画をアップロードするだけで自動生成
- 複数言語に対応しており翻訳も可能
【こんな方におおすすめ】
- YouTubeやTikTokに動画を投稿している人
- 簡単に字幕をつけたい人
✅ 方法1:動画アップロード時に設定する
YouTube Studioで動画をアップロードする際に、自動字幕機能を有効にする設定があります。
この処理には時間がかかりますが、生成された字幕は後から編集や修正が可能です。

✅ 方法2:投稿済みの動画から利用する(自分と他人の動画とも対応)
すでにYouTubeに公開されている動画であれば、以下の手順で自動字幕を表示できます。
①. 動画の再生画面で「設定(歯車アイコン)」をクリックする。

②.「字幕」を選択し、「自動生成」をクリックします。これで字幕が表示される。

③. 他の言語に翻訳したい場合は、続けて「翻訳」から希望する言語を選ぶと、自動で翻訳された字幕が表示される。

✅ 自動文字起こしテキストの利用方法
YouTubeの自動文字起こし機能は、テキストを直接コピーすることも可能です。
①. 動画の概要欄にある「文字起こし」ボタンをクリックします。

②. 画面の右側に、動画の内容がテキストで表示されます。

③. このテキストを直接コピー&ペーストして、会議の議事録やメモなどに活用できます。
感想
今回は、無料で動画を文字起こしする方法をいくつかご紹介しました。
どの方法もそれぞれ異なる強みと不向きがあり、自分の用途や環境に合わせて選ぶのがポイントです。
例えば、精度の高さを求めるなら専用ツール、手軽さを重視するならWindows 11の標準機能やYouTubeの自動字幕機能といったように、自分の用途や環境に合わせて選ぶのがポイントです。
以前は有料ソフトや外注に頼ることが多かった文字起こし作業も、今では無料で十分実用的にこなせるようになってきました。
ぜひ今回ご紹介した方法を試して、ご自身の作業効率アップに役立ててください。