最近、リップシンク(Lip Sync)という技術が話題になっています。
これは、元の動画の人物の口の動きを、新しい音声に合わせて自然に調整するAI技術です。
この記事では、そんな便利なリップシンクAIを無料で使えるツールや、その特徴を詳しくご紹介します。
目次
【無料xオンライン】リップシンクAIサイトおすすめ5選
ここからは有料プランが基本となりますが、無料プランも用意されているおすすめのリップシンクAIツールをご紹介します。
短期間の利用や2~3回程度の使用であれば、無料プランでも十分に試せます。
1. Kling AI
Klingは、テキストからの動画生成に加え、画像・音声・アバター・リップシンクなど多彩な機能を備えた次世代型のクリエイティブプラットフォームです。
中でも注目はリップシンク機能で、動画に音声を追加し、キャラクターの口の動きを自然に同期させられます。
条件は以下の通りです:
対応形式:MP4 / MOV(動画のみ)
最大サイズ:100MB
最大解像度:720p / 1080p
最大長さ:60秒
アップロードした音声やテキスト読み上げに対応し、キャラクターに表情や感情を吹き込むことが可能です。
口パクが完全に一致しない場合もありますが、表情豊かで自然な動きが得られます。最近では、複数人のキャラクターによるリップシンクにも対応しつつあり、表現の幅が広がっています。
動画5秒ごとに5クレジットを消費します。
使用方法 | ブラウザ(スマホアプリもある) |
日本語 | 可能 |
アカウント登録 | 必要 |
無料プラン | ✓ 166クレジットが無料で付与 ✓ 透かし(ロゴ)が入る ✓ 動画生成の速度はやや遅め |
公式ページ | https://klingai.com/global/ |

2. Hedra
Hedraは、AIを使って静止画から自然なリップシンク動画を生成できるサービスです。
たった1枚の写真と音声データから、キャラクターの唇や表情をリアルに動かし、まるで人間が話しているかのような自然な動画を作成できます。
他のツールと比べても、Hedraはアップロードした写真の雰囲気を忠実に再現し、AIによる過度に描き替えることが少ない点が大きな特徴です。
2025年3月に登場した最新AIモデルにより、表情・動作の自然さが飛躍的に進化。アニメ調からリアル調まで幅広いスタイルに対応できます。
それでもやはり、アニメキャラクターのリップシンクと最も相性が良いという印象です。
Hedraは無料プランだと生成に時間がかかります(およそ1時間ほど)が、品質はとても良いですね。
使用方法 | ブラウザ |
日本語 | 可能 |
アカウント登録 | 必要 |
無料プラン | ✓ 月に300クレジット((動画60秒分))が付与 ✓ 動画生成の速度はやや遅め ✓ 商用利用は不可 ✓ クレジットパックの購入はできない |
公式ページ | https://www.hedra.com/ |
3. HeyGen
HeyGen(ヘイジェン)は、AIを活用して写真や音声、テキストから自然なアバター動画を生成できる革新的なサービスです。
2025年5月に公開された最新モデル「Avatar IV」では、口の動きと音声がほぼ完全に一致する“本物そっくり”のリップシンク動画を作成できるようになりました。
単に口を動かすだけでなく、表情や抑揚まで自然に再現されるため、視聴者に違和感を与えません。
長時間(10分以上)の動画でもズレが少なく、YouTubeの解説動画など長尺のコンテンツにも安心して使えます。
ただし、実写系の自然さは際立っていますが、アニメ調キャラクターはやや苦手で、口だけが不自然に動くこともあります。
日本語は多少苦手な面もありますが、十分なクオリティで話すことができます。
使用方法 | ブラウザ |
日本語 | 可能 |
アカウント登録 | 必要 |
無料プラン | ✓ 月3回まで、最長10秒の動画を生成可能 |
公式ページ | https://www.heygen.com/ |
4. Dreamina
Dreaminaは、TikTokで知られるByteDance社が開発した生成AIプラットフォームです。
画像・動画・アバター・楽曲の生成に対応していますが、とくに画像やテキストをリアルで動きのある動画に変換できる『動画生成AI』が人気です。
Dreaminaのリップシンク機能は、静止画をわずか数クリックで“話す映像”に変換でき、入力したテキストや音声に合わせて自然な口の動きや表情を再現します。アニメ調や演出重視のシーンに強く、手軽さと精度を兼ね備えていることから、アバター制作にも最適なツールといえます。
一方で、複雑な動作や具体的な指示を反映させるのが難しく、現状では「KLING AI」など他の動画生成AIと比べると実用性に劣る面があります。今後のアップデートによる機能改善に期待したいところです。
使用方法 | ブラウザ |
日本語 | 可能 |
アカウント登録 | 必要(CapCutと共通のアカウントで利用可能) |
無料プラン | ✓ 1日あたり120クレジットが付与 ✓ 透かし(ロゴ)が入る |
公式ページ | https://dreamina.capcut.com/ja-jp/resource/ai-lip-sync |
5. Google Veo 3
Google Veo 3は、Googleが開発した最新の動画生成AIモデルです。
Veo 3の最大の特徴は、動画とリップシンクを同時に生成できる点です。プロンプトでセリフを指定するだけで、音声と口の動きが自動的に合成されます。これは、競合する動画生成AI「Kling」にはまだない、Veo 3独自の強みです。
また、日本語を含む多言語に対応しており、セリフだけでなく環境音やBGMも自動生成され、映像と自然に合成されるため、非常にリアルで臨場感のある動画表現が可能です。特にリップシンクの精度は従来のモデルを大きく上回り、人物表現のリアリティが飛躍的に向上しています。
現在はGensparkの無料利用(回数制限あり)やGoogle AI Proの1か月無料体験を通じて、Veo 3を無料で試すことができます。
使用方法 | ブラウザ |
日本語 | 可能 |
アカウント登録 | 必要 |
無料プラン | 前述の内容を参考にしてください |
公式ページ | https://deepmind.google/models/veo/ |
【無料xローカル】オーペンソースのリップシンクAIツール4選
ここからは、予算を抑えてリップシンク動画を作りたい方に向け、無料で使えるおすすめツールを5つご紹介します。
操作には多少の工夫が必要ですが、その分カスタマイズ性が高く、最新の技術をいち早く試せるのが魅力です。
1. Wan2.2 S2V
Wan2.2 S2Vは、ローカル環境で動作する「Wan2.2」シリーズの動画生成モデルです。
音声と1枚の画像、そしてプロンプトを組み合わせることで、リップシンク動画を生成します。
単に口の動きを合わせるだけでなく、頭の傾きや視線、手の動きといった細かな表現も自動で生成できるため、非常にリアルで豊かな動画を作ることが可能です。
また、ComfyUI向けの公式ワークフローも公開されており、自由度の高いカスタマイズが楽しめます。
ただし、Wan2.2シリーズは無料で利用できますが、高性能なPCでも動画の生成にかなりの時間がかかります。例えば、RTX 3060では4秒の音声から14秒の動画を作るのに23分もかかるケースもあるため、ハイスペックなPCが必須となります。
使用方法 | ローカル |
日本語 | 可能 |
公式ページ | https://wan.video/ |
2. MuseTalk
MuseTalkは、高精度かつリアルタイムで動作するリップシンクAIモデルです。
入力した音声に合わせて、静止画や動画の人物の口の動きを自然に生成でき、特に実写映像との相性に優れています。
仕組みとしては、画像をVAEで潜在空間にエンコードし、音声をWhisper-tinyモデルで処理。さらにStable Diffusion v1-4のUNet構造をベースに、クロスアテンションで音声と映像を融合することで、高品質なリップシンクを実現しています。
NVIDIA Tesla V100環境では30fps以上で動作し、中国語・英語・日本語など複数言語に対応。唇の動きだけでなく表情全体も豊かに再現できるのが特徴です。
利用環境によって一部ディテールが欠けることもありますが、完全無料なリップシンクAIの中では、現状もっとも精度が高く実用的なモデルといえるでしょう。
使用方法 | ローカル |
日本語 | 可能 |
公式ページ | https://github.com/TMElyralab/MuseTalk |
3. LatentSync
LatentSyncは、TikTokなどを手がけるByteDance社が開発した、革新的なリップシンクAI技術です。
音声データに基づいて、動画内の人物やキャラクターの口の動きを正確に同期させることができます。複雑な「笑い声」のような微妙な動きも、非常に高い精度で再現できます。
また、中間的な動き表現を必要とせず、入力した音声から直接唇の動きを生成する「エンドツーエンドのフレームワーク」を採用しているため、効率的かつ高品質なリップシンクを実現します。NVIDIA RTX 4090などの高性能GPUがあれば、30秒の動画を約3分で作成できるほど高速です。
さらに、TREPA技術によって動画フレーム間の時間的一貫性を高め、滑らかな映像を生成。
ただし、現時点ではアニメやデフォルメされたキャラクター、動物などの認識には課題が残っており、主にリアルな人物や写真での活用が推奨されます。
使用方法 | ローカル |
日本語 | 可能 |
公式ページ | https://github.com/bytedance/LatentSync |
4. MultiTalk
MultiTalkは、MeiGen-AIプロジェクトから生まれたオープンソースのリップシンクAIモデルです。
MultiTalkの最大の強みは、複数の人物が会話したり、歌ったりするシーンでも、それぞれに合わせたリップシンクを違和感なく生成できる点です。これにより、まるで本物の人間が話しているかのような、よりリアルな対話動画を作成できます。
動画の口の動きだけを切り取るとGoogleのVeo 3に匹敵するか、それ以上な気がします!
また、単に会話シーンを生成するだけでなく、プロンプト(指示文)に従って、キャラクターが歌う動画や、手書き風の漫画動画など、幅広い表現が可能です。
リアルな会話動画やエンタメコンテンツ制作を手軽に実現できる点で、今もっとも注目すべきリップシンクAIツールのひとつといえるでしょう。
使用方法 | ローカル |
日本語 | 可能 |
公式ページ | https://github.com/MeiGen-AI/MultiTalk |
まとめ
リップシンクAIには、無料で使える商用サービスと、完全無料で利用できるオープンソースのツールがあります。
前者は手軽に導入でき、精度や安定性も高い一方で、無料プランには利用回数や機能制限があるため、本格的に使いたい場合は有料プランの検討が必要です。
オープンソースのツールは、無料でありながら高精度なリップシンク動画を作れるのが大きな魅力です。一方でローカル環境で動かすため、PCの性能がある程度求められるうえ、導入の手間や操作性、サポートの面では少し不便さを感じることもあります。
用途や予算に応じて、最適なツールを選ぶことが大切です。