写真や画像の背景を消して他の用途に使いやすい時があるでしょうか。
今回の記事では、どんなジャンルの画像でも(例えば、アニメ・イラスト、人物、料理、建物、ファンタジー、街並み、店舗、商業施設、昔の風景など)、背景を透過・透明化するパソコンソフト、オンラインサイト、スマホアプリをまとめて紹介します。
目次
(1)パソコン用の写真や画像透過ソフトおすすめ
1. Topaz Mask AI
Topaz Mask AIは、アメリカ有名なIT企業Topaz Labsが開発・提供しており、マスクを使い画像を透過するソフトです。
AIテクノロジーを駆使して、境界部分を大まかにブラシで指定するだけで、自動的に精密な選択範囲(マスク)が作成できるのが特徴です。それにより、選択の難しいふわっとした髪の毛やもこもこした素材なども、驚くほどすばやくキレイに切り抜けます。
そして、背景の透明を保持して.png形式で保存することや、背景素材をソフトに読み込んだりまたは単色を選択したり、新しい背景と合成することができます。
また、Mask AIはスタンドアロン・ソフトウェアとしてだけでなく、同社の画像編集ツール「Topaz Studio」や「Adobe Photoshop」のプラグインとして利用可能になっています。
通常価格は99.99ドルとなって欲しいけど高くて手が出せないと思っているかもしれないが、一般的に、クーポンコードを使用することで69.99ドルという割引価格で入手可能ですよ。
2. Adobe Photoshop
【対応OS】:Windows&Mac
【価格】:1,680円/月
【日本語対応】:可能
【AI対応】:可能
Photoshop (フォトショップ)って言えば、画像編集に多少でも携わったら、必ず一度は名前を聞いたことがあるでしょうか。
イラストレーション(作画)やフォトレタッチ(写真の編集)を中心として、画像に特殊効果を加えたり、複数のレイヤーを統合して高度な合成画像を作成するなど使用用途の幅がかなりひ広いです。
Adobe Photoshopを使用して画像の背景を透明にするさまざまな方法があるが、画像素材の種類によって最適な方法も変わります。
ベジェ曲線を使い手作業で切り抜くペンツールは、他の切り抜き方法とは段違いに高精度な切り抜きが可能です。その反面、非常に手間がかかり難易度が高い気がしますね。
一方、精度はそこそこでいいと思うなら、Adobe Senseiの機械学習テクノロジーを活用する「被写体を選択」機能を使ってかなり楽に切り抜きが可能になります。画像内の主要な被写体が自動で認識し選択範囲を作成されます。「Ctrl + Shift + I」をクリックして選択範囲を反転させて、不要な背景部分を削除や移動、透明度化することができるようになります。
要するに、画像の背景を消すだけでPhotoshopを購入するのがややもったいないが、高度な画像編集に興味がある方におすすめします。
3. Gimp
【対応OS】:Linux、Window、Mac OS X、Sun OpenSolaris、FreeBSD
【価格】:無料
【日本語対応】:可能
【AI対応】:可能
【公式サイト】:https://www.gimp.org/
Gimp(ギンプ/ジンプ)は、高度な機能が備えるオーペンソースの画像編集・加工フリーソフトです。
画像編集ツールとして、トリミングや合成、明るさや色合いの調整、シャープネスを掛けたり、ぼかしたり、モノクロやセピア調のフィルター加工、修復ブラシでお肌を綺麗になんてことまでできます。
また、「ペイントツール」や「レタッチツール」として、「写真レタッチ」「画像合成」「画像オーサリング」などに利用できます。
完全無料で、AdobeのPhotoshopにも引けをとらない機能とクオリティで使えるのが魅力的です。
画像の背景を透明にする場合、主に自由選択ツール、消しゴム、パスツールが利用可能です。パスツールはPhotoshopのペンツールと大体同様な働きをします。
精度を優先して精密に切り抜きたい時は、パスツールを使って切り抜きたい対象物の輪郭線をマウスでなぞりながら点を打ち、輪郭線ごと切り取るのがおすすめします。
編集後の画像は、「png」のファイル形式で保存しておくと、背景を透明にした状態で保存されます。
(2)オンラインで使う写真や画像透過サイトおすすめ~インストール不要
1. remove.bg
remove.bgは、AI技術を採用して画像背景の切り抜きに特化したWebサイトです。
画像をアップロードするだけで、AIが自動で被写体を判断して、不要な背景部分を削除してくれるという仕組みです。
ワンクリックの簡単な指定操作で、切り抜きの難しい動物や植物、人物の髪の毛など細部が複雑なものまでも切り抜かれるため重宝されています。
パソコンはもちろん、iPhoneやAndroidの上でもブラウザからremove.bgを開いたら、すぐに使えるのも嬉しい点です。
また、無料で使用する場合でも、会員登録も不要でらくらく切り抜き、出力画像に嫌な透かしやロゴも入らないので、ほんと気軽に使えます。
ただし、無料版には、サイズや切り抜き枚数に制限が付くので使い放題というわけではありません。
プライベートでお遊び用なら無料版で、お仕事や副業で使用するなら高画質の有料版を使用するのがいいです。
2. VanceAI
VanceAIとは、AI分野の機械学習という技術を活用して画像編集やフォトレタッチ、写真の加工に使われる総合的なウェブツールです。
ホームページで利用可能なツールが機能ごとに分類されており、自動的に背景を削除する場合、「AI 背景透過」を使用します。
使い方はシンプルで、写真にある主要となる被写体をAIが全自動で切り抜きます。ピクセルごとに領域の境界を指定するため、精度は高くてほぼ期待通りの結果が得られるのがメリットです。
また、背景透過をした後は、さらなる編集をすることや別のさまざまな単色の新しい背景を加えることができます。
無料なお試しが利用できるが、加工後の画像をダウンロードするためにアカウント登録が必須となります。それに加えて、使用回数や、アップロードする解像度に関する制限もあります。処理速度もやや遅いという感じがします。
3. 切り抜きAC
切り抜きACは、「写真AC」や「イラストAC」などの素材ダウンロードサイトを運営しているACワークス株式会社が提供しており、画像の背景を透過するに特化したオンラインサービスです。
CNN(畳み込みニューラルネットワーク)など、複数のディープラーニングの技術を活用して、画像の中の人物、製品、動物、車、グラフィックスなどの物体を自動的に検出して、背景が透過された画像を生成します。
この記事を書いた現時点で、切り抜きACはベータ版としてリリースされて、背景の切り抜き、変更、ダウンロードまで無料で利用可能です。透過の精度は満足が行くレベルです。
一度に最大20枚をアップロード可能で、一括で処理することができるので、作業効率も上がります。
ただ、生成した画像は無料でダウンロードできるが、アカウント登録が必要になります。
PixCutは、Filmoraの開発元「Wondershare」社が提供しており、写真や画像の背景を削除するためのオンラインサービスです。
無料なアカウントを作成すると、PixCutが利用できるようになります。
使い方は簡単で、画像をドラッグ&ドロップするか、「画像をアップロード」を押すか、さらに、URLを入力することでアップロードを行うことが可能です。
アップロードが完了したら、どこが背景なのかAIが自動的に認識して削除してくれるので、後は処理後の写真をダウンロードするだけで済みます。
なお、ダウンロードする際に、出力画質によって「無料ダウンロード」と「HDをダウンロード」が選べます。
「無料ダウンロード」では、元より解像度・画質が少し下がることになってしまうのがちょっと残念だが、ロゴなどは入らないので十分に使えると思います。
もし、高画質を求めるならば、有料版になるが「HDをダウンロード」を利用してみてください。
(3)iPhoneとAndroidの上で使う写真や画像透過アプリおすすめ
iPhoneとAndroidの上で写真や画像の背景をAIが自動的に消すことができるアプリは極めて少ないです。
Adobe社製のiPad専用アプリ「Photoshop mix」はグラフィックツールAdobe Photoshop CCの最新機能を使って、iPad上で写真や画像の透過、合成処理や補正を行うことができたが、2021 年 6 月 21 日をもって、App Store からダウンロードできなくなります。
このアプリを既にインストールしている場合は、引き続き使用できるが、新しいアップデートや 1 対 1 のサポートはありません。
現状、AIに対応した使いやすいものといえば、「PicsArt」あたりです。
PicsArtの基本情報
【対応OS】:iOS 12.0以降、Androidならデバイスにより異なる
【日本語対応】:可能
【AI対応】:可能
PicsArt(ピクスアート)は、アメリカの会社PicsArtPicsArt, Inc.によって運営している画像加工・編集アプリです。
iPhoneやAndroidスマホで撮影した写真をポチッと簡単にアーティスティックな印象に画像加工できるのが特徴です。
そして、自動選択ツールを使うと画像の背景を消すことも結構簡単にできます。
❶切り抜いて対象だけを選択する⇒❷境界線などを微調整する⇒❸背景透過した画像を保存するといった基本的な流れで背景の透過が完成します。完全な初心者の方でも直感的に操作できます。
背景透過して切り抜いた画像は、ほかのイメージと合成したり、自由な加工ができて、画像加工もはかどります。
PicsArtは、基本無料で使えるが中には有料な機能もあります。有料コンテンツには、”王冠マーク”がついています。
サブスクリプション型サービスなので、月額で契約するなら850円、年額なら5100円となります。
まとめ
写真の背景だけを削除するには、Photoshopなどの画像編集ソフトを使うことが一般的でしたが、近年はAIによって簡単に切り抜きをする技術がどんどん進化しています。
パソコンでソフトで画像の背景を消すだけで完結であれば、Topaz Mask AIは一番使いやすいです。もちろん、背景透過以外、高度な画像編集に挑戦したいなら、PhotoshopやGimpはいいです。
また、オンラインサイトって、正しく簡単に背景画像を切り抜きたい場合はremove.bgよりclippingAC、VanceAIを使用することをオススメする。
スマホアプリを使用したいならば、PicsArt一択です。ただ、透過の精度は、パソコンソフト、オンラインサイトに比べにならないとご注意ください。