昔撮った写真や、Web上からダウンロードしたお気に入りの画像、あるいはデザイン素材として使いたい画像が「低解像度」で粗く見えてしまい、がっかりした経験はありませんか?
本記事では、低画質の写真や画像を手軽に4Kへ高画質化できるおすすめの方法を5つ紹介します。
プロの編集者はもちろん、趣味で写真やデザインを楽しみたい方にもきっと役立つ内容です。
目次
画像を4K化するとは?
「画像を4K化する」とは、もとの写真やイラストなどを高解像度の4K(3840×2160ピクセル以上)へ引き上げることを指します。
従来の方法では、単に画像サイズを拡大するだけだったため、輪郭がぼやけたり、ノイズが目立ったりしてしまうのが一般的でした。
しかし、近年のAIアップスケーリング技術の登場によって、その常識は大きく変わりました。
膨大な高解像度画像を学習したAIが、画像のパターンや質感を詳細に解析し、もともと存在しなかったディテールを自動で補完することで、自然で高精細な4K画像を生成できます。
もちろん、元の画像の解像度や品質によっては、ネイティブ4K(最初から4Kで撮影されたもの)ほどの精細さには及びません。
それでも、多くのケースで十分に「疑似4K」と呼べるほどの高いクオリティを実現できます。
専門ソフトで画像を高画質化して4K化する方法
画像を4K化する方法の中でも、最も精度が高く自由度も高いのが専門のアップスケールソフトを使う方法です。
1. Upscaylで画像を4K化する方法(無料)
【対応OS】:Windows 10 以降、macOS 12 以降、Linux
✅ Upscaylとは
Upscaylは、オープンソースで開発された無料のAI画像アップコンバーターです。
7種類のAIモデルを利用でき、指定した画像を2倍~16倍まで高解像度化できます。(高倍率は低スペックPCで非対応)
ただし解像度は自由に設定できず、例えば600×800ピクセルの画像を2倍にすると2400×3200ピクセル、3倍にすると5400×7200ピクセルになります。そのため、標準の4K解像度にするには、後から調整が必要です。
✅ Upscaylの使い方
Upscaylは、初めてでも簡単にすぐ使えます。

右ウィンドウに写真をドラッグ&ドロップし、「Upscayl」ボタンをクリックするだけで加工が始まります。
処理時間はパソコンの性能やGPUの有無によって変わりますが、筆者の環境(Core i5 第8世代)では、約1分ほどで加工が完了しました。
ただ、出来上がった写真は、アニメ絵のようにベタっとした処理になってしまうので、それが気になる人もいると思います。
無料で利用できるソフトなので、あまり期待しすぎない方がよいでしょう。
2. Topaz Photo AIで動画を4K化する方法(プロの品質)
【対応OS】:Windows 10 / 11、macOS 12 以降
✅ Topaz Photo AIとは
アメリカのTopaz Labsが開発した、写真の品質を自動で最適化する次世代のソフトウェアです。
単なるアップスケール専用ツールにとどまらず、多彩な編集機能を備えている点が大きな特徴です。
10種類のAIモデルを搭載しており、ホコリやキズの修復はもちろん、ピントが甘い写真や暗所で撮影したノイズの多い画像もAIが自動で解析・補正します。
さらに、ディテールを損なうことなくシャープネスや明るさを調整できるため、印刷や商用利用にも対応できる高品質な仕上がりを実現します。
✅ Topaz Photo AIの使い方

① 画像ファイルを読み込む
② Autopilotが自動で画像を解析
③ いろいろな編集機能の中から「Upscale」を選び、解像度を4Kに設定
④「Export image」をクリックして、仕上がった画像を保存
※ Topaz Photo AIは、PhotoshopやLightroomなどの主要アプリにプラグインとして統合できるほか、スタンドアロンでも使用可能。
野生動物、スポーツ、イベント、アーカイブ写真など、あらゆるジャンルでその性能を発揮します。プロ・アマを問わず、写真家やデザイナーにおすすめできる一本です。
画像編集ソフトで写真や画像を4Kにする方法
近年、画像編集ソフトにもAI技術が次々と導入され、写真や画像を手軽に高画質化できるようになっています。
1. Windows「フォト」で画像を4K化する方法(無料)
【必要条件】:Copilot+ PCで、Windows 11が動作していること
Copilot+ PC 専用の Microsoft フォトには「スーパー解像度」機能が搭載されています。
AIを活用して低解像度の画像を最大8倍まで高精細化でき、低画質の写真の改善や大判印刷、解像度を損なわないトリミングに最適です。
フォトで「スーパー解像度」を使用する方法

① フォトアプリを開き、4K化したい画像を選択。
②「編集」を選び、表示されるオプションの中から「スーパー解像度」を選択。
③ 1x、2x、4x、8x など、目的の拡張レベルを選ぶ。
③ 画像が処理されると、プレビューで元の画像と拡大後の画像を比較表示可能。
2. Photoshop 2026版で画像を4K化する方法
【必要条件】:Photoshop 2026版
✅ Photoshop 2026に追加された「生成アップスケール」
解像度の低い画像を2倍・4倍まで高精細化できる、新たな高解像度化の切り札です。
自社の「Firefly Upscaler」に加え、外部のTopaz Labs製モデル(Gigapixel/Bloom)も選択可能です。Gigapixelは既存のディテールを忠実に保持する一方、Bloomは新しい創造的ディテールを追加する特性があります。
なお、外部モデルを使用する場合は、プレミアムプランへの加入が必要です。
✅「生成アップスケール」で画像を4Kに高画質化する方法

①「ファイル」>「開く」で、編集したい画像を開く。
②「画像」>「生成アップスケール」を選択。
③ ダイアログで出力スケール(2倍または4倍)を選び、必要に応じてパラメーターを調整。
④ 使用するAIモデルを Firefly Upscaler、Gigapixel、Bloom から選択。
⑤「アップスケール」をクリックすると、4Kに変換された画像が新しいドキュメントとして生成される。
オンラインサイトで手軽に画像を4Kにする方法
インストール不要で、ブラウザ上から手軽に画像を4K化できるオンラインサービスは多数あります。
無料で利用できる代表例が「Waifu2x」で、もともとはアニメ向けに開発されたツールですが、実写画像にも対応しています。ただし、実写ではアニメほど効果が出にくい点に注意が必要です。
有料サービスも多く、月額制やクレジット制が一般的ですが、ほとんどのサイトで無料トライアルを試せます。
AIモデルや得意分野はサービスごとに異なるため、まずはトライアルで効果を確認してから有料プランを検討するとよいでしょう。
筆者はTopaz Labs社のオンラインサービス「Image Upscaler」を愛用しています。3種類のAIモデルを搭載し、最大8倍の拡大に加えて、顔補正や鮮明さ・ノイズ除去の調整も可能です。

多くのオンラインサービスは、画像をアップロードして拡大サイズを選択し、処理を実行するだけで高解像度化を完了できます。
スマホアプリで画像を4Kにする方法
画像の高画質化に特化したスマホアプリもいくつか存在します。
代表的なものとして「YouCam Enhance」や「Yome2x」などがあり、これらを使えば低解像度の写真でも、ある程度くっきりとした高品質な画像に変換できます。
ただし、スマホで4K相当まで解像度を引き上げるのは現実的に難しい面があります。低解像度の画像を4Kへ変換する処理はCPUへの負荷が大きく、多くのスマホはFHD+(2340×1080ピクセル)程度の解像度しか持たないため、画面上では4K化の効果を体感しづらいのが実情です。
そのため、スマホアプリは「軽い補正」や「SNS投稿用の高画質化」には便利ですが、本格的に4Kクオリティを目指す場合は、PC向けのソフトやオンラインサービスを利用することをおすすめします。
裏技:Web画像ならネット上で4K版を探す(元データの再取得)
Web上で入手した画像を4K化したい場合、「元の高解像度データを探す」という裏技的な方法もあります。
✅ Googleで「画像から検索」を試す
ネットからダウンロードした画像であれば、Google画像検索で「画像から検索」を試してみましょう。
アップロードした画像と同じ、または類似した画像の掲載元を特定できるため、オリジナルの高解像度版(4Kや未圧縮データ)が見つかる場合があります。
✅ 投稿者や送信者から元の4K版をお願い
また、SNSで受け取った画像の場合は、投稿者や送信者に「元の4K版を送ってもらえますか」とお願いするのも有効です。
LINEなどのメッセンジャーアプリでは、送信時に画質が自動的に圧縮されることが多いため、「オリジナル画質」で再送してもらうよう頼むと確実です。
このように元データを再取得できれば、AIで拡大処理するよりも、はるかに自然で高品質な画像を得ることができます。
まとめ
AI技術の進化により、専門知識がない素人でも、自宅で画像や写真を高解像度に変換できるようになりました。いい時代です!
画像を4K化する方法には、専門ソフトやオンラインサイト、スマホアプリなど、さまざまな手段があります。
本記事で紹介した方法を目的や環境に応じて使い分けることで、写真やイラストをより美しく、4Kクオリティで楽しむことができます。

