AIで生成した画像や動画は、年々そのクオリティが向上しています。
しかし、細部を拡大してみると「ややぼやけている」「ノイズが多い」「解像度が足りない」と感じることも少なくありません。
そこで本記事では、「AIで生成した画像や動画を高画質化する方法」について、わかりやすく解説します。
AI作品の見た目をワンランク上に仕上げたい方や、SNS投稿・商用利用を想定して高画質化したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
AIで生成した画像や動画は画質が悪いのか?
AIで生成された画像や動画の品質は、使用するツールや設定によって大きな差があります。
理論上、最新の生成AIは非常に高精細な結果を出せますが、その分、処理コストや生成時間が増えるため、実際には必ずしも最高品質で出力されるとは限りません。
処理速度やコストを優先するツールでは、解像度が低かったり、ディテールが粗くなったりする傾向があります。たとえば、テクスチャが滑らかに見えなかったり、人物の髪の毛や背景が不自然にぼやけたりすることがあります。
さらに動画生成AIでは処理がより複雑で、フレームごとのノイズや圧縮の影響により全体がややぼやける場合もあります。特に、フレーム間の動きをAIが補完する際に生じる“にじみ”や“ブレ”は、画質低下の主な原因です。
AIで生成した画像や動画を高画質化するには
結論から言えば、AIで生成した画像や動画を高画質化するために、以下2つの方法があります。
一部の生成AIには、出力時に自動で解像度を上げる「アップスケール」機能が搭載されています。
ツール内で完結できるため、操作が簡単で手軽に高画質化できるのが特徴です。ただし、画質向上には限界があり、追加料金が必要な場合もあります。
これは、AIで生成した素材を一度保存し、専用の高画質化ツール(例:Topaz Gigapixel、Real-ESRGAN、AVCLabsなど)で後処理を行う方法です。
外部ツールは高画質化に特化しており、ノイズ除去やディテール補完などの処理精度が高く、細部まで鮮明に仕上げることができます。
AI生成ツールの標準アップスケール機能で高画質化する方法
簡易な高画質化であれば、AI生成ツールに搭載されている標準のアップスケール機能を使うのが最も簡単です。
以下では、公式にアップスケール(高解像度化)機能を搭載している、代表的なAI生成ツールをまとめています。
【生成画像の場合】
| AI生成ツール | アップスケールサイズ | 追加料金 |
| Midjourney | 2,048 x 2,048まで | Basicプランでは非対応、上位プランが必要 |
| SeaArt | 8倍まで拡大 | プレミアムプランへの加入が必要 |
| Fotor | 4倍まで拡大 | Proプランへの加入が必要 |
【生成動画の場合】
| AI生成ツール | アップスケールサイズ | 追加料金 |
| Kling AI | 4K | プレミアムプランへの加入が必要 |
| Runway Gen-4 | 4K | 追加クレジットが必要 |
| Dreamina | 4K | プレミアムプランへの加入が必要 |
一部のAI生成ツールにはアップスケール機能が搭載されておらず、生成される画像や動画の解像度にも制限があります。たとえプロンプトで高解像度を指定しても、最終的にはAI側の設定が優先されます。
外部アップスケールツールを使って高画質化する方法
より高度な高画質化が必要な場合は、外部の専用アップスケーラーを利用するのがおすすめです。
ここでは、インストール不要で、ブラウザからすぐに使えるオンライン型アップスケーラーを紹介します。
1. 生成画像の場合

画像のアップスケールに対応したWebサービスは多数ありますが、なかでも特におすすめなのが、AIアート・デジタルアート専用のアップスケール&ディテール強化Webアプリ「Bloom」です。
Bloomは、生成画像の細部や質感を自然に補完しつつ、ノイズを抑えて解像感を高めることができます。
一般的なアップスケールでは失われがちなディテールも再現できるため、AI生成特有の“ぼやけ”や“にじみ”を改善するのに最適です。
たとえば、512×512ピクセルの画像を4Kサイズに拡大しても、輪郭のシャープさや質感のリアルさを維持できます。
また、プロンプト入力によるディテール追加など、クリエイティブな表現を強化できる点も魅力です。
料金プランは、月10枚まで無料で利用できる無料プランと、7日間の無料トライアル付き有料プランが用意されています。
Bloomは、Adobe Photoshop 2026版に標準搭載されています。プレミアムプランに加入すれば、ワンクリックでBloomを適用でき、高精度なアップスケール処理を手軽に行うことができます。
2. 生成動画の場合
「Bloom」の動画版ともいえる「Astra」は、AI生成動画を最大4Kの高精細な解像度にアップスケールできるクリエイティブアップスケーラーです。
Astraは、用途に応じて選べる2種類のアップスケールモードと、映像の滑らかさを向上させるフレーム補間機能を搭載しています。
フレームごとの映像解析によってブレやノイズを抑え、シャープでクリアな映像へと仕上げるのが特長です。
たとえば720pや1080pの動画を4Kにアップスケールしても、輪郭の自然さや質感を保ちながら美しく再構築してくれます。
AI生成動画特有の“にじみ”や“モーションの乱れ”を軽減できるため、映像作品やプロモーション動画など、完成度を重視する制作シーンに最適です。
ブラウザ上での軽い調整では難しい部分も、Astraを使うことでよりプロ品質の仕上がりが実現します。
操作手順は非常にシンプルで、AI生成素材(画像や動画)をアップロード → アップスケールサイズを設定 → 処理を実行するだけです。用途に応じて細かな設定を調整することもできます。
まとめ
AIで生成した画像や動画は便利ですが、解像度や細部の表現に限界があり、そのままでは画質が低く感じられることがあります。
画質向上には、生成ツールの標準アップスケール機能と、外部専用アップスケーラーの活用があります。
標準機能は手軽ですが、より精細な仕上がりを求める場合は、画像なら「Bloom」、動画なら「Astra」などの外部ツールがおすすめです。ノイズやにじみを抑え、高解像度化を実現できます。
用途や求める画質に応じて適切な方法を選び、生成素材を最大限に活用しましょう。

