After Effectsでピンボケを補正する3つの方法|初心者からプロまで

動画や映像制作の現場で、「撮影した映像がピンボケだった……」というトラブルは意外とよくあるもの。

大切なカットを撮り直すのが難しい場面では、編集ソフトでピンボケを補正する手段が求められます。

本記事では、Adobe After Effects(アフターエフェクト)を使ってピンボケを補正する基本的な方法や、おすすめのエフェクト・設定について、初心者にもわかりやすく解説します。

【最も手軽】After Effectsの基本エフェクトでピンボケ補正

After Effectsでピンボケを補正する最も手軽な方法は、「シャープ」エフェクトを使うことです。

この方法は、細かい設定なしで手軽に映像の輪郭を強調できるため、緊急時や簡易的な補正に役立ちます。

1. この方法の特徴(メリット・デメリット)

メリット

  • 複雑な手順や専門知識が不要で、数クリックで完了する手軽さが魅力です。
  • 軽度のピンボケや輪郭のぼやけに対しては、効果的にシャープさを復元できます。

デメリット

  • 大きくぼやけた映像や焦点が完全に外れた映像には、十分な補正が難しい場合があります。
  • 過度な補正は輪郭がギザギザになったり、もともと少ないノイズが強調されることがあります。

2. 操作手順

① After Effectsでピンボケを補正したい映像をタイムラインに配置。

② 画面右側の「エフェクト&プリセット」パネルを開く。

③「ブラー&シャープ」カテゴリ内にある「シャープ」を検索。

「シャープ」エフェクトを適用

④「シャープ」エフェクトを該当レイヤーにドラッグ&ドロップで適用。

「シャープ量」を調整

⑤ エフェクトコントロールパネルで「シャープ量」を調整し、見た目が自然な範囲で補正する(目安としては10〜30程度から試すとよい)。

この方法はあくまで軽度のピンボケ補正向けですが、編集初心者には特におすすめです。

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【中・上級者向け】After Effectsで高度な設定を使った補正方法

上記の方法で満足のいく結果が得られない場合は、次の方法も試してみてください。

1. この方法の特徴(メリット・デメリット)

メリット

  • 前の方法より補正を細かく調整できるため、より自然で高品質な仕上がりが期待できます。
  • After Effectsの標準機能だけで完結するため、追加の費用がかからないのも大きな利点です。

デメリット

  • ある程度の経験が必要で、初心者には設定がやや複雑に感じられる可能性があります。
  • 細かい補正や複数エフェクトの使用により、編集やレンダリングに時間がかかる傾向があります。

2. 手順とポイント

① After Effectsでピンボケを補正したい映像をタイムラインに配置。

② 映像素材を2回複製して、合計3つのレイヤーを用意。

映像素材を2回複製

③ 一番上のレイヤーを選択した状態で、「エフェクト&プリセット」パネルを開く。

④ 「エフェクト&プリセット」から「反転」エフェクトを検索して適用。

「反転」エフェクトを検索して適用

⑤ 続けて、「ブラー(ガウス)」エフェクトも追加。

「ブラー(ガウス)」エフェクトも追加

⑥ 画面左上の「エフェクトコントロール」パネルで、「ブラー(ガウス)」のブラー量を「2」に設定。

ブラー量を「2」に設定

⑦ 最上位レイヤーを右クリックし、「描画モード」→「ビビッドライト」を選択。

「ビビッドライト」を選択
※「反転」エフェクトの効果は、素材や目指す表現によって異なります。「反転」と「ブラー(ガウス)」の順序を入れ替えると仕上がりが変わるため、見え方を確認しながら調整してみてください。

続いて、4つのレイヤーペアを作成し、それぞれのペアごとに色レベルを調整します。

4つのレイヤーペアを作成

① 最上位のレイヤー(以下、A)と2番目のレイヤー(B)を選択し、色レベルを調整します。

② AとBを複製し、生成されたレイヤー(CとD)の色レベルも同様に調整します。

③ CとDを複製して作成したレイヤー(EとF)の色レベルも調整します。

④ EとFを複製し、できたレイヤー(GとH)も同様に色レベルを調整します。

複製の仕組みは以下の通りです。

A → C → E → G

B → D → F → H

各ペアの上にあるレイヤーには、「ブラー(ガウス)」エフェクトを以下の値で設定してください。

「ブラー(ガウス)」エフェクトのブラー量を設定
  • レイヤーA(1つ目のペア):ブラー量 2
  • レイヤーC(2つ目のペア):ブラー量 4
  • レイヤーE(3つ目のペア):ブラー量 6
  • レイヤーG(4つ目のペア):ブラー量 8

そして、素材とその加工レイヤーをペアでまとめ、プリコンポジション化します。

① レイヤーAとBを選択し、右クリックメニューから「プリコンポーズ」を選択して「OK」をクリック。

「プリコンポーズ」を選択

② 同様に、CとD、EとF、GとHの各ペアも順にプリコンポーズ。

最後に、各プリコンポジションの「描画モード」を「オーバーレイ」に設定すれば、作業は完了です。

「描画モード」を「オーバーレイ」に設定

【おすすめのポイント】

このテクニックの優れた点は、仕上がりを細かく調整できることです。

✅ 不透明度での調整

すべてのレイヤーを選択し、不透明度を調整することで、元の映像にどの程度効果を反映させるかをコントロールできます。


✅ プリコンポジションの順番変更

各プリコンポジションの並び順を変えてみると、また違った効果が生まれます。さまざまなパターンを試して、最適なものを見つけてみてください。


✅ ブラー量の検証

「ブラー(ガウス)」の最適な数値は、素材によって異なります。ご紹介した数値はあくまで目安として、ご自身の映像に合った最適な値を探してみてください。

【高精度&超簡単】After Effects用プラグインでAIで一発補正

もし、ここまでの方法でご希望の仕上がりが得られない場合は、最終手段としてAIを活用した専用プラグインの導入を検討してみてください。

特におすすめなのが、AIによる動画高画質化に特化した業界最強の「Topaz Video AI」です。このソフトは単体でも使えるほか、After Effectsのプラグインとしても利用可能です。

Topaz Video AI

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1. この方法の特徴(メリット・デメリット)

メリット

  • 高度なAI技術により、ピンボケやノイズ、解像度の低い映像でも短時間で高品質に補正できます。
  • 複雑な調整や専門知識がほとんど必要なく、AIに任せられるため手軽に使えます。
  • 手動補正と比べて大幅に時間を節約でき、効率的に高画質化が可能です。

デメリット

  • Topaz Video AIは有料ソフトであり、購入・ライセンス料が必要です。
  • AI処理のため、高性能なGPUやCPUを搭載していないと処理時間が長くなる可能性があります。

2. 導入から使用までの流れ

Topaz Video AIの導入方法はOSによって異なります。

【Windowsの場合】

Topaz Video AIの導入方法:Windows版

① Topaz Video AI アプリを起動して、ログインする。

② メニューバーから「Plugins」>「Install After Effects Plugins…」を選択して、画面の指示に従ってインストールを進める。

【macOSの場合】

Topaz Video AIの導入方法:Mac版

① まず、Topaz Video AI をインストールししてください。

② 次に、pkgインストーラーを再実行し、「Installation Type」の画面で「After Effects Plugin」にチェックを入れて進めます。

インストールが完了したら、After Effectsを再起動してください。エフェクトの一覧に「Topaz Video AI」が追加されているはずです。

Topaz Video AIの使い方は簡単で、詳しい操作方法は以下の記事をご覧ください。

Topaz Video AIの使い方動画高画質化ソフト「Topaz Video AI」の使い方・設定方法を分かりやすく解説!

まとめ

以上、After Effects を使ったピンボケ補正の3つの方法をご紹介しました。

基本エフェクトを使った手軽な方法から、複数のレイヤーや描画モードを駆使する中・上級者向けの調整、そしてAIプラグインによる高精度かつ簡単な自動補正まで、それぞれにメリットと注意点があります。

目的や作業時間、仕上がりの精度に応じて、最適な方法を選んでみてください。

必要に応じて組み合わせて使うことで、より自然で高品質な映像表現が可能になります。

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