Topaz Video AIは、アメリカのIT会社「Topaz Labs」がリリースされ、最先端のAIテクノロジーを駆使して低画質・低解像度の動画を高画質にするソフトです。
業界では”最強”と名高い「Topaz Video Enhance AI」から改名し、「Topaz Video AI」として再出発です。
今回の記事では、Topaz Video AIの使い方をシンプルにわかりやすく解説していきます。
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目次
(1)Topaz Video AIの日本語化
現状、Topaz Video AIは英語表記となり、英語以外の言語を選択・インストールしてのご利用はできません。
そして、有志による日本語化パッチ(MOD)も存在しないので、どうしても日本語でTopaz Video AIを使用したいなら、「Resource Hacker」といったソフトの中身を書き換えられるツールを使って自分で日本語に直すしかないと思います。
実に、英語表記だけど、難しい単語が使われてなくて、英語が苦手だと感じている方でも問題ないと思います。
(2)Topaz Video AI使い方と各種設定の詳細解説
デスクトップからTopaz Video AIのアイコンをクリックして、アプリを起動しましょう。
製品版の購入手続きを完了したら、「Activate」⇒「Sign in with Browser」の順でクリックします。そして、ブラウザで登録に使ったアカウント情報を入力すると東特完了です。
一方、無料版だけを使用したい場合、「Free Demo」をクリックして登録画面を閉じます。無料版は、製品版の全機能を利用できるが、出力動画にウォーターマーク・透かしが入っていしまうのでご注意ください。
次に、下記の手順でTopaz Video AIを使って動画を高解像度に変換してみましょう。
1. 動画のインポート
まず、変換したい動画素材をTopaz Video AIにインポートしましょう。
起動画面で、真ん中にある「Browse」をクリックするか、左上のメニューにある「File」⇒「Import」をクリックします。すると、パソコンから使用したい動画素材を選択してアップロードします。
ドラッグ&ドロップで動画ファイルを追加したい場合は、白い点線枠内のエリアにファイルをドロップすると、そのままアップロードが開始されます。
2. アップロードした動画の管理
アップロードが終わると、Topaz Video AIの作業画面に切り替わります。
アップロードした動画はサムネイルとして画面左下にある「INPUT」のところに入っています。「+」ボタンをクリックするか、ドラッグ&ドロップで動画を追加することができます。
そして、動画サムネイル上にて右クリックするか、または右下の三点リーダーをクリックしてメニューを表示させることができます。
3. 動画のトリミング
動画全体ではなく、一部だけを高解像度化したい場合は、「トリミング(始点と終点をカット)」を行いましょう。
動画を再生して必要な部分を特定します。
そして、タイムラインで再生ヘッド(白い縦のライン)の位置を左右にドラッグします。
❶.「ここから必要」という位置に再生ヘッドを合わせて、キーボードの「I」を押すか、または、上部メニューの「Edit」⇒「Mark Video In」をクリックします。
❷.「ここまで必要」という位置に再生ヘッドを合わせて、キーボードの「O」を押すか、または、上部メニューの「Edit」⇒「Mark Video Out」をクリックします。
すると、必要な部分だけが残り、その他は削除されます。
元に戻したい場合は、➊と❷の操作を繰り返してください。
4. 動画のクロップ
Topaz Video AIはトリミング以外にも、表示される映像の範囲を変更するクロップといった簡単な編集機能も利用できます。
上部メニューの「Edit」⇒「Crop Video」をクリックします。
プレビューウィンドウでオレンジ色の四角の枠が表示されるので、この枠で表示領域を調整します。枠以外の部分は切り取られ表示されなくなります。
また、「AR」アイコンをクリックしたら、4:3や16:9、9:16とさまざまなアスペクト比でクロップが可能です。さらに、「AR」から「Custom」を選択することで、縦・横のピクセル数を入力してアスペクト比をカスタマイズすることもできます。
クロップの調整が済めば「Apply」をクリックして編集を保存しましょう。「Cancel」を押してクロップ編集を取り消すことができます。
5.「Presets」の設定
デフォルトでは、「None」が選択されているが、右端の表示されている下向きの三角アイコン(画像赤枠部分)をクリックすると、プルダウンメニューが表示されます。
その中からいろいろなプリセットを利用できます。
None:なし
4x slow motion:4倍スローモーション
8x super slow motion:8倍スローモーション
Auto crop stbilzation:手ブレ補正(自動クロップ)
Convert to 60 fps:60 fps変換
Deinterlace footage and upscale to HD:インターレースを解除し映像をHDに高解像度化する。
Upscale to 4K:映像を4Kに高解像度化する。
Upscale to 4K and convert to 60 fps:映像を60 fpsに変換しながら4Kに高解像度化する。
Upscale to HD resolution:映像をHDに高解像度化する。
とにかく、目的に合わせて使用したいプリセットを選択しましょう。後で細かい設定を変えることはできるので、ここで「None」のままでかまいません。今度は「None」を選択したままで次に進みましょう。
6.「Video」の設定
「Crop」をクリックしたら、クロップ編集ができるようになります。編集内容は出力動画のみに適用されるが、「Input」と「Preveiws」内の動画データは変わらないということです。
「Input」の横に、オリジナルの解像度とフレームレートを確認できます。
「Output Resolution」に、出力解像度を設定することができます。
解像度を設定するには、画像赤枠部分をクリックして、プルダウンメニューを表示させます。使用用途とパソコン環境に合わせて最適な拡大率もしくは解像度を選んでください。ちなみに、「Custom Resution」を選択する場合、画面の縦と横の長さを自由に調節可能。
「Frame Rate」に、使用したいフレームレートを選択することができます。
ハイスピード録画で撮影されていない動画を、フレームを(最大120fpsまで)プラス(補間)してなめらかに再生したい場合に役に立つます。
7. AIモデルの選択と設定
ここで、「stabilization」、「Motion Deblur」、「Frame Interpolation」、「Enhancement」、「Grain」と5つの項目があります。
「Stabilization」
手ブレなどでカメラの動きの多い(見にくい)映像を、動きが安定化された(見やすい)映像へと処理する機能です。
「Stabilization」をクリックして、現れた「Strength」スライドバーのカーソルを左右に移動することで手ぶれ補正の強弱を変化させることもできます。
また、「Full Frame」をクリックして「Auto-Crop」が見れます。「Full Frame(フルフレーム)」は、フルサイズという意味です。「Auto-Crop」は、クロップが自動的に行なわれるということです。
「Rolling Shutter」:ローリングシャッター歪みを補正する機能です。
「Jittery Motions」:モーションジッタを低減する機能です。
「Motion Deblur」
動きあるものを撮影した時に生じるモーションブラー(ぼけやぶれ)を取り除く機能です。
この機能を有効にすると、高速移動時のブレをある程度抑えてくれることに特化したAIモデルである「Themis」が自動的に選択されます。公式サイトのサンプル画像を見るとブレやピンボケを結構クッキリ目に補正してくれています。
「Frame Interpolation」
フレーム補間と呼ばれて、フレーム数の少ない動画に、新たなフレームを挿入することで滑らかな動画を作り出す機能です。
「Slow Motion」タブで、2倍から16倍まで再生速度を選択したら、動画にスローモーションエフェクトを適応させることができます。 2倍のスローモーションなら50%、4倍のスローモーションなら25%ということです。
「AI Model」タブで、「Apollo」、「Apollo Fast」、「Chronos Fast」、「Chronos」と4つのオプションがあります。
- 「Apollo」は、非機械的な動き(例えば、人間や動物の動き、手持ちカメラの映像など)を含む映像の動きをスローダウンするのに最適なモデルです。
- 「Apollo Fast」は、バージョン3.2.6から追加された新モデルで、通常のApolloも高速化しているが、2倍や4倍のフレームを生成する場合は、Apollo Fastの方が300~400%程度高速になります。
- 「Chronos」は、機械的な動きを撮影した映像に対して、フレームを補間し滑らかに表現させるモデルです。
- 「Chronos Fast」は、動画の再生速度を下げない上に、フレームの補間と調整を行うためのモデルです。「Chronos」より、2~3倍の高速処理が可能になりました。
フレーム補間用のAIモデルを選択する際に、次のような考慮すべき点が挙げられています。
- 2倍、4倍、8倍のフレーム数倍が必要な場合、Apolloを使用します。例えば、30→60fpsを200%スローモーションに変換する場合、ちょうど4倍のフレームが必要になります。
- スピードが重要で、2倍または4倍のフレームが必要な場合は、Apollo Fastを使用してください。
- 最高画質を求める場合や8倍速のフレームが必要な場合はApolloを使用します。
- 24 → 60 FPSからの変換など、他のフレーム倍数には Chronos (Fast) を使用します。
「Enhancement」
元動画に比べて、全体を鮮鋭化(色彩強調、ボケの改善)する機能だと理解しても良いです。
「Video Type(映像の方式)」タブで、「Progressive」、「Interlaced」、「Interlaced Progressive」と3つのオプションがあります。
- 「Progressive(プログレッシブ方式)」:走査線を上から順番に1本ずつ表示させる方式です。Blu-rayディスク、デジタルストリーミング、YouTubeなどは、基本的にプログレッシブ方式が適しています。
- 「Interlaced(インターレース方式)」:走査線を1本おきに飛ばして表示する方式です。主にアナログテレビや一部の古いデジタルテレビ規格で使用されます。1080iのHDテレビ放送やDVDの一部はインターレース方式を採用しています。
- 「Interlaced Progressive」:プログレッシブ方式とインターレース方式の組み合わせです。
現在では、テレビ以外のほとんどがプログレッシブを採用しています。
手元の動画はプログレッシブ方式か、もしくはインターレース方式かとわからないと、メディアプレイヤーで確認することができます。
映像の方式によって、利用可能なAIモデルも異なります。次に、それぞれに見てみましょう。
「Progressive」より利用可能なAIモデル↓↓↓- Proteus – Enhance MQ :複数のパラメーター(圧縮・復元、細部復原、シャープネス、ノイズ低減、光ボケ・ジャギー・ぼやけ除去など)を備えた映像を高解像度化する。
- Iris – Face /LQ-MQ :顔の改善と低~中品質のプログレッシブ/インターレースビデオの向上を行う。
- Nyx – HQ Denoise :高品質の映像に入ったノイズを除去する。このようなノイズは、暗い照明条件で撮影するときに、カメラのISO感度を高く設定すると発生しやすくなる。元解像度の上でノイズを除去しながらディテールを維持する。
- Artemis – Denoise/Sharpen :光ボケ、圧縮アーティファクト、エイリアシング、ノイズを含む低/中/高品質の動画を高解像度化か・鮮明化化する。アニメーション動画の高画質化によく使われている。
- Gaia – Upscale HQ :高品質な動画およびCG動画を高解像度化する。
- Theia – Details/Fidelity:細部にディテールを追加しながら動画を鮮明化して高解像度化する。
そして、選択したAIモデルによって、下側でさらに細かいカスタマイズが可能です。究極の高画質を求める熟練者の方にオススメです。
「面倒だなー」、「難しいかな~」と思う初心者の方であれば、デフォルトのままでも大丈夫でしょうか。
「Interlaced」より利用可能なAIモデル↓↓↓
- Dione DV :DV、DVCPRO、DVCAM、720i、1080iなどのデジタルビデオに適用するモデル。
- Dione TV :古いテレビ、ビデオカメラ、DVD、SD 映像 (480i、576i など) のアナログビデオに適用するモデル。
- Dione DeHalo :Dione TVから派生して、ハローとフリンジの除去に特化したモデル。
- Iris LQ :顔の改善と低品質のインターレースビデオの向上を行う。
- Iris MQ:顔の改善と中品質のインターレースビデオの向上を行う。
「Interlaced Progressive」より利用可能なAIモデル↓↓↓
- Dione Robust:480i、576i、720i、1080iの映像に対して最高のパフォーマンスを発揮する。
- Dione Robust Dehalo:ハローやフリンジの除去に特化するモデル。
- Iris LQ :顔の改善と低品質のプログレッシブ/インターレースビデオの向上を行う。
- Iris MQ:顔の改善と中品質のプログレッシブ/インターレースビデオの向上を行う。
※ 期待どおりに行かない場合、「Interlaced」下のAIモデルを試してください。
「Grain」
動画を鮮鋭化にするための設定です。対象のオブジェクトの輪郭や色をハッキリさせるエフェクトです。
「Amount」と「Size」2つの要素を制御することでカスタマイズします。
「Amount」:適用するシャープの量。
「Size」:適用するシャープのサイズ。
どっちでも、数値を大きくするほどシャープが強くかかり、濃いエッジがかかります。ただ、設定をやりすぎると逆に汚い不自然な画面になるので上手に調整してください。
8.「Preview & Export Settings」の設定
デフォルトでは、H.264(mp4)は選択されているが、これをクリックしたら、圧縮コーデック、出力形式を変更できます。
動画ファイルにどの圧縮形式(コーデック)を採用するかは、状況に応じて様々な選択肢が考えられます。
例えば、配信用途ではなく、編集用途に向いたコーデックを使用したい場合、圧縮率の低い(つまり、データの劣化が少ない)ProResをおすすめです。
また、YouTubeやTwitter、InstagramなどのSNSにアップロードするか、H264、H265、H266、VP9が適しています。一方、自分で楽しむか、家族に見せるくらいだったら、汎用性の一番高いH264は十分に使えます。
出力形式の場合、コーデックによって、MOV、MP4、MKV、WEBMが選択できます。ほとんどの場合ではMP4が利用できるので、MP4(h.264)形式を選択するのが問題ないでしょう。
9. プレビューの確認
上記の設定が完了したら、実際の変換作業を行う前に結果をプレビューできます。
プレビューウィンドウの下にある「Preview」をクリックすると、新しい動画のプレビューが生成される為、生成が完了するまで若干時間がかかります。
生成が完了したら、動画が映ります。左側が元動画の画面、右側が設定後の動画の画面となります。今回は、無料版を使用しているので、ロゴが入ってしまったのです。
下記の「Previews」のところに、生成されたプレビューファイルが自動的に保存されます。それにより、複数のAIモデルを選択して、それぞれのプレビューファイルを生成して効果を比較検証することができます。
上部メニューの「View」をクリックしたら、プレビューモードおよびプレビューの表示サイズ(表示倍率)を変更できます。
10. 動画の書き出し
最後に、「Export」アイコンをクリックして、動画の書き出しが始まります。
ちなみに、「Export」アイコンの右端にある下向き三角のマークをクリックしたら、「Export」から「Export As」に切り替えることができます。「Export As」によって、ファイルの名前と保存先を設定して保存できます。
書き出しにかかる時間は動画の画質や長さによって異なるので、終わるまで気長に待ちましょう。
(3)最後に
これで、Topaz Video AIの使い方・設定方法の解説が終わりです。
直感的に操作出来て、高度なAIモデル、および簡単な編集機能で、初心者の方でもストレスなく楽しく使うことができると思います。
無料版もダウンロードできるので、ぜひ試してみてくださいね。
【使い方】新品「Topaz Video AI」をダウンロードとインストールする方法・手順
詳細レビューありがとうございます。
他社AIビデオエンハンス製品に比較し、設定項目が多彩な印象ですね。
ブラックフライデーで更なる割引期待しているのですが、、、
Final Cut 12万とかAfter Effects 20万とかで買っていた頃に比べれば
プラグイン価格なので、買いだと思っています。
自分も唯ちゃんアーカイブ20年分あるので、リマスターしなきゃ
マシンは林檎から窓となってますが、予算無くRTX4060 8gb で i7
14700F ram16gb とギリスペックです。