保存した音声データの音質を良くしたいと思って悩んでいませんか?
元々の録音音質の悪いデータの音質を抜本的に良くする事は非常に難しいですが、不可能ではありません。
今回の記事では、AIを使った音質向上(高音質化)サイトを厳選して紹介します。手軽に音質を改善したい方におすすめです。
目次
(1)AIを使った高音質化とは?
AIを使った高音質化と一言で言うと、人工知能(AI)技術を活用して音声データの品質を改善することです。
従来の高音質化技術は、プロの方による、繊細な設定と高度な専門知識に基づいた手作業が一般的でした。
しかし、AI技術の導入により、このプロセスが自動化され、より迅速かつ精度の高い音質改善が可能になりました。
たとえば、AIは、膨大な音声データを学習し、ノイズや音割れ、こもりといった音質劣化の原因を自動的に分析・識別することができます。そして、その分析結果を元に、音量の均一化、エコーの低減、音声のクリア化、ノイズ除去など、最適な処理を自動的に施すのです。
一方で、AIの高音質化も、まだまだ発展途上にあり、品質や性能に関しては改善の余地が残されています。
元の音声データの音質が極端に悪い場合、AIによってデータ的な音質を高めても効果が限られることがあります。
(2)音の音質を良くするAIサイトおすすめ
音の音質を良くすることができるオンラインサイトは多数あります。
ここから、無料から有料までおすすめのAI高音質化サイトをご紹介します。筆者が全て試し、実際に利用しやすいサービスを選びました。
1. Audioenhancer.ai
【対応言語】:英語
【価格】:無料&有料(10ドル/月額から)
【アカウント登録】:不要
【サイズ制限】:500MBかつ5分間まで(有料プランなら4GBまで)
【広告】:なし
【公式ページ】:https://audioenhancer.ai/
Audioenhancer.aiは、その名の通り音声の品質を向上させるツールです。
高度なAI技術を駆使して、自動的に音声の品質を向上させ、クリアでノイズのない音声に仕上げてくれます。
このAIツールは、以下4つの処理モードが用意しています。
- 「Improve the Quality」:音声全体の音質を向上させる。
- 「Reduce the Background Noise」:背景ノイズを軽減する。
- 「Clean up the Speech」:人の声をクリアで明瞭なサウンドに変換する。
- 「Fix the Loudness and Levels」:音声のさまざまな部分のレベルを特定の範囲に調整する。
処理モードを選択したら、音源のタイプを選び、作業を開始できます。
分かりやすいインターフェース、高度なAIアルゴリズム、手ごろな料金プランが特徴として、音楽制作やポッドキャスト、オンライン会議など、さまざまな用途で活用されています。
.m4a、.mp4、.3gp、.m4b、.aac、.m4p、.m4r、.m4v、.aif、.aiff、.aifc、.avi、.mov、.qt、.mp3、.opus、.ogg、.wav
2. LALAL.AI Voice Cleaner
【対応言語】:日本語
【価格】:有料(18ドルから)
【アカウント登録】:必要
【サイズ制限】:2GBかつ90分間まで(ライトプラン)
【広告】:なし
LALAL.AIは、革新的な音声分離技術を提供するWEBサービスです。
そして、音声分離機能から派生して、「Voice Cleaner」も開発されました。
これは、音声トラックから不要なノイズや雑音を取り除き、よりクリアで高品質な音声を実現するAI機能です。
具体的に、BGM、ボーカルの破裂音、マイクのゴロゴロ音、その他の不要なノイズを除去できます。ノイズ除去強度は「軽度」、「通常」、「積極的」から設定可能です。
また、20個ものオーディオファイルまとめて(一括で)アップロードできるので、作業効率を大幅に向上することができます。
直感的なインターフェースと高速処理が特徴で、音楽愛好者からプロのミュージシャンまで、幅広いユーザーに利用されています。
.mp3、.ogg、.wav、.flac、.aiff、.aac、.avi、.mp4、.mkv
3. Adobe Podcast
【対応言語】:日本語
【価格】:無料
【アカウント登録】:必要
【サイズ制限】:500MBかつ30分間まで(1日につき1時間)
【広告】:なし
Adobe Podcastとは、AIを活用したオーディオツールで、ブラウザベースで動かせるのが特徴になっています。
ポッドキャストの品質を向上させ、プロのスタジオで録音されたかのように聞こえるように設計されています。
主な機能として、音声録音からノイズやエコーを除去する「スピーチ強化」機能、録音前にマイクの問題を修正する「マイクチェック」機能、ブラウザで音声録音・編集などを行う「スタジオ」機能が用意されています。
「スピーチ強化」機能を使えば、人の発話部分がくっきりと強調され、雑音の多い環境でもクリアな音声で聞くことができます。 Adobe Podcastは、ポッドキャスト制作を効率化したい方、高音質な音声編集を行いたい方におすすめのツールです。
無料プランの場合、音声ファイルのみ対応可能。
4. Neural.love
Neural.loveは、AI技術を使用してデジタルメディアの品質を向上させるためのWEBサービスです。
画像や動画の高画質化、フレーム補間、音声のノイズ除去、古い写真のカラー化、AIアート生成など、実用的な機能を揃っています。
音質向上というと、「Enhance Audio Quality」と「Enhance Voice: Aggressive」といった2つのモードが利用できます。
「Enhance Audio Quality」を使用すると、オーディオのサンプルレートを最大48kHzまで向上させます。48kHzはCDと同等の音質とされています。
しかし、アップロードした音源がすでに48kHzである場合、これ以上さらに音質を上げることはできないと要注意。
また、「Enhance Voice: Aggressive」を有効にすると、人間の声以外のノイズを除去し、音声の明瞭さを向上させます。
5. Media.io AI Noise Reducer
【対応言語】:日本語
【価格】:無料
【アカウント登録】:必要
【サイズ制限】:1時間まで
【広告】:なし
Noise Reducerは、さまざまなノイズを除去して音声を高音質化するオンラインサイトです。
音源データだけではなく、動画ファイルもアップロード可能です。動画の音質を改善したい方でも利用しやすいでしょう。
使い方は非常に簡単で、音源素材をアップロードしてから、画面下部で削除したいノイズを選択するだけで良く、細かな設定は必要ありません。
また、一般的な背景ノイズだけではなく、エアコンや扇風機の風音、録音時の残響、マイクノイズ、マウスのクリック音やカセットテープに起因するヒスノイズ…
それぞれ除去することができます。
操作性や機能性の面から見ると、まだ発売前の段階にある、不十分なベータ版ではないかなあ…という印象です。
6. Flixier AI Audio Enhancer
【対応言語】:日本語
【価格】:無料&有料(14ドル/月額から)
【アカウント登録】:不要
【サイズ制限】:不明
【広告】:なし
Flixierは、動画編集に必要な機能がオールインワンで揃ったクラウドサービスです。
カット、トリミング、字幕挿入、エフェクト、アニメーションなどに加えて、劣化していた音質をAIで補正する機能「Audio Enhancer」もあります。
AIが自動的に音声を分析し、ノイズ除去、音声の明瞭化、音質のバランス調整などを高精度に行います。
操作方法は、4つの処理モード、および音源のタイプが選択できます。先に紹介したAudioenhancer.aiと全く同じで、もしかすると同様のAIモデルを導入しているのではないかと思われます。
Audioenhancer.aiに比べて、Flixierは動画編集機能を併せて使用できるため、動画を作成したい方に向いています。
無料版を使用する場合、出力動画に透かし・ロゴが入っていしまいます。
7. Kapwing Clean Audio
【対応言語】:英語
【価格】:無料&有料(16ドル/月額から)
【アカウント登録】:必要
【サイズ制限】:不明
【広告】:なし
Kapwingは、ブラウザ上で動画&画像編集、GIF作成などが行えるオンラインツールです。
動画編集に苦手意識を感じている方でも、SNSに投稿する動画コンテンツを素早く作成できる点が特徴です。
「Clean Audio」は、Kapwingに追加された新機能として、音源の背景ノイズを効果的に低減し、音声品質を大幅に向上させることができます。
高度なエコー低減技術を採用して、犬の吠え声、風切り音、室内のエコーなど様々なノイズをを取り除くことができます。
雑音や環境ノイズに埋もれて、本来の音声が聞き取りづらい場合、「Clean Audio」は役に立ちます。
ただし、この機能は現在、有料プランに加入したユーザーのみで利用可能となっています。
(3)最後に
以上、AIで音質を良くする機能がついたおすすめのサイトを7選ご紹介しました。
AIを使用した高音質化は、今後も技術の進歩により、さらに高精度で高速な技術が開発されることが期待されます。
この技術によって、雑音にまみれていた音声が驚くほどクリアに蘇りる…まるで魔法のような存在と言えるでしょう。
上記でご紹介したサイトはいずれも簡単に使えるので、ぜひ記事を参考にご自身に合ったサイトを選んでみてください。