TikTokやYouTubeの人気の高まりや5Gの恩恵もあり、動画配信ビジネスは急成長しています。
業務や仕事のため、ハイクオリティで見栄えの良い動画を作成したい方も増え続けている状況です。しかし、常にその要求に応えられる完全なオリジナル動画を作成できるわけではありません。
そこで本記事では、AI業界にとどまらず一般の人々にも利用できる、【AIによる動画を自動的に生成できるサービス】を無料から有料までまとめて紹介します。
目次
(1)AIによる動画生成とは
【AIによる動画生成】とは、テキストや音声、画像などの入力情報からAIが自動的に動画を生成する技術のことです。
機械学習の手法を用いるジェネレーティブAI(生成AI)としても知られて、既存の動画データから特徴を学習して、それらの特徴をもとに新しいアウトプットを生み出すという仕組みです。
例えば、「トラが落ち葉で覆われた森を歩ている」テキストで入力すると、AIがそれに基づいて自動的に動画を生成します。また、「猫が空を飛んでいる」ような、存在しないはずの動画を生成することもできます。
AIによる動画生成は、まだ開発の初期段階だが、ビジネスシーンやクリエイティブの現場へ大きな影響を与える可能性があるとして需要が高まり、さまざまなサービスが登場しています。 誰でも簡単に利用できるようになっている一方で、AIによる動画生成の今後の興味深い可能性を垣間見ることができます。
(2)AIによる動画自動生成サービスおすすめ
ここからは、以下各方面を考えながら、おすすめできるAIによる動画自動生成サービスをピックアップしました。
➊.生成動画の精度
➋.生成動画の種類
➌.コスト・料金
➍.使いやすさ
1. Runway Gen-2
【開発元】:Runway Research(アメリカ)
【対応OS】:PC(Web版)、iOS(アプリ版)
【入力モード】:テキスト→動画、画像→動画
【生成動画の種類】:実写、アニメーション
【日本語対応】:可能(英語の方が精度が高い)
【料金】:無料&有料(12ドル/月から)
【商用利用】:可能
【公式サイト】: https://research.runwayml.com/gen2
Runway Gen-2は、RunwayのAIソフトの第二世代として開発された高度な動画生成ツールです。
テキストの説明、画像、または既存のビデオクリップを元に、短時間でリアリスティックな動画(最長16秒)を生成することができるのが最大の特徴です。
前モデルGen-1と比べて、よりリアルな映像の生成や、リアルタイム性の向上、マルチモーダルな対応能力にあります。
AI動画生成サービスの中で、GEN-2は非常に自然でリアリティがある動画を作れるが、求めるものにより近いものを提供してくれている感覚がありました。
もちろん、カメラで撮った動画に比べて、時には、奇妙な、歪んだ、不穏な映像になることもあり、実用的には「もう少し」というところかもしれません。それでもかなり革命的なツールだと感じます。
また、Runway Gen-2は、アカウント登録が必要となり、専用のクレジットを消費して動画を生成します。
無料版の場合、105クレジットだけ無料で使うことができるから、1クレジット/秒で最大合計105秒の動画のみを生成できます。そして、機能面では1つあたり4秒、DVDと同等の画質という制限もあります。実際に作品などに使いたいという方は有料版の検討が必要でしょう。
2. Synthesia
【開発元】:Synthesia Ltd.(英ロンドン)
【対応OS】:PC(オンラインサイト)
【入力モード】:テキスト→動画
【生成動画の種類】:実写
【日本語対応】:可能
【料金】:無料&有料(30ドル/月から)
【商用利用】:可能
【公式サイト】: https://www.synthesia.io/
Synthesia(シンセシア)とは、簡単に言えば、AIプレゼン動画生成プラットフォームです。
撮影は一切不要で、テキストのファイルを入力するだけで、本物の人間と区別がつかない俳優(アバター)が「話している」動画を作成できるのが特徴です。実に、Synthesiaが用意したアバターだけでなく、文章を書いた本人は自身をアバターにすることが可能です。
現状で、140以上の多様なAIアバター(カスタマイズが可能)、120以上の言語とアクセント、55以上のテンプレートを搭載して十分に使えると思います。
アカウント登録不要の無料お試しコースが用意されて、台本(テキスト)を準備すれば、AIプレゼンターのアバターを選択して誰でも手軽にプレゼン動画を制作することができます。
AIアバターは、さまざまな言語や口調で話すことができます。ユーザーがスペイン語で入力すればアバターもスペイン語で話し、日本語で入力すれば日本語を話します。
ただ、日本語だと違和感はありますが・・・
とりあえず、今までは高度な撮影機器&場所&長く苦しい編集を要する様々な業務が、Synthesiaに置き換わっていくのかもしれませんね。
3. invideo AI
【開発元】:invideo(アメリカ)
【対応OS】:PC(オンラインサイト)
【入力モード】:テキスト→動画
【生成動画の種類】:実写、アニメーション
【日本語対応】:可能
【料金】:無料&有料(15ドル/月から)
【商用利用】:可能
【公式サイト】: https://ai.invideo.io/
invideo AIとは、テキストからクオリティの高い動画広告や説明動画を生成できるWebサイトです。
テキストを入力してから、invideo AIが自動的に必要な情報を収集&分析します。その後、ユーザー側が「Audience(視聴者)」、「Look and Feel(見た目と雰囲気)」「Platform(動画配信プラットフォーム)」をそれぞれに設定することができます。これらの設定に応じた動画が数分間で生成されます。
筆者の場合では、「りんごが水中を泳いでいる」を入力してから、2~3分間のあと、2分24秒という長さの動画を生成してくれます。リアリティさと忠実性に関しては、いい感じで嬉しいでした。
特に言いたいのは、リンゴのは何色か、丸ごとかカットされるか、水しぶきが激しいかなど各要素を考えていくつかのシーンを生成するので、ご要望に合ったシーンが見つかりやすいでしょうか。
ただ、無料版を使うと、動画を書き出すには、4Kは利用不可で最大1080pしか選択できないし、透かし・ロゴも動画に入ってしまいます。
要するに、invideo AIは使いやすくて、ぜひ試してみてくださいね。
4. PictoryAI
【開発元】:Pictory(アメリカ)
【対応OS】:PC(オンラインサイト)
【入力モード】:テキスト→動画、URL→動画、画像→動画
【生成動画の種類】:実写
【日本語対応】:可能(日本語のほうが精度が低い)
【料金】:有料(19ドル/月から)
【商用利用】:可能
【公式サイト】: https://pictory.ai/
PictoryAI (ピクトリーエーアイ)とは、AI技術を活用して文章を自動で動画化できるWEBサービスのことです。
2019年、シアトルで開催されたハッカソンで最初のプロトタイプを作成。2020年7月、製品の最初のバージョンがリリースされ、日々アップデートされて今に至ります。
長所・強みとして、スクリプトや記事だけではなく、WEBサイトさらに画像を入力すると、動画コンテンツを効率的に作成することができる上、入力情報に応じて、動画に適したキャプションまでも自動的に生成してくれます。
業務用、個人用を問わず、ソーシャルメディア向けの説明動画や短い動画広告を作成するには、PictoryAIは使いやすくておすすめです。
利用方法は簡単で、テキストを入力してから好きなテンプレートを選択しておけば、動画が自動的に生成されます。デフォルトでは、動画の長さは5秒に設定されるが変更可能です。キャプションも変更可能。ただ、思ったよりも品質がいまいちな感じですが・・・
無料アカウントでは、動画化3本まで利用可能だが、試す分には、これで十分ですね。
5. FlexClip
【開発元】:PearlMountain(香港)
【対応OS】:PC(オンラインサイト)
【入力モード】:テキスト→動画、URL→動画
【生成動画の種類】:実写
【日本語対応】:可能
【料金】:無料&有料(13.99ドル/月から)
【商用利用】:可能
【公式サイト】: https://www.flexclip.com/jp/tools/ai-text-to-video/(支持affi,)
FlexClipとは、動画編集・作成に特化したオンラインサイトです。
「AIテキストから動画へ」というAI機能を導入することで、作りたい動画の内容をテキストやURLで入力すると、AIが自動的に動画を作成してくれます。
動画を作ってくれると言っても無から動画を生成してくれるわけではなく、関連性のありそうな著作権フリーの画像や短い動画をつなぎ合わせて動画を作ってくれる機能になります。
なので、現実にあり得ないはずの仮想が動画として見たいのであれば、精度は高くないかな~という印象です。具体的に、関連性の低い映像・画像・テキストが選ばれることがあるし、ぜんぜん違う動画ができることもあります。
例えば、「リンゴが水中を泳いでいる」という例文で使ってみたが、ここのリンゴをApple製品と間違えてしまいました。何回かやってるうちに抽出する精度が高まってるようでもあるが、現段階では完成した動画をそのまま使うのは難しいかと思います。
現在の「AIテキストから動画へ」は全体の構成を考えたり、土台作りに使うなど、アイデアの参考にする使い方が良いのではないでしょうか。
(3)まとめ
今回の記事ではAI動画の生成ができるWebサイトを5選紹介しました。
AIによる動画生成は、欲しい動画を直感的にテキストへ起こし、入力するだけで近いものが生成されるハードルの低さが、多くの人が扱えるというメリットを生み出しています。
まだ開発の初期段階なので、実用上には機能不足だと感じることはあるが、すぐに作品の製作に使用できるとあまり言えないでしょうか。
今後も技術は進化し続けており、これらのツールも使いやすくなるよう改良していく一方で、次々と利便性に優れた新しいツールも生み出されると期待できます。
これからも目が離せません。
とりあえず、現時点でAIによる動画生成の魅力を体感したい方は、ぜひ本記事で紹介したオンラインサイトに触れてみてください。