写真や画像の解像度が低くて困ったことはありませんか?そんなときに便利なのが、AI技術を活用した『画像高画質化ソフト』です。
誰でも簡単な操作で画質を向上できるため、写真の修復はもちろん、デザインや印刷、映像制作など幅広いシーンで活用されています。
この記事では、完全無料で制限なく使える画像高画質化フリーソフトを厳選してご紹介します。
コストを抑えたいなら画像高画質化フリーソフトは最適ですが、アニメやイラストには効果的なものの、人物写真では力不足を感じるかもしれません。そのような場合は、「Topaz Photo AI」がおすすめです。「」をぜひお試しください。

Topaz Photo AIの特徴
- 写真全体の汚れ・傷・ノイズを自動補正
- ピンぼけやブレをシャープに復元し、顔や文字もくっきり補正
- RAW画像に対応し、高精度で最高品質の仕上がりに
- 最大16倍まで高画質のままアップスケール可能
- 明るさや色合いを調整して、写真全体の印象を最適化
- PhotoshopとLightroomと連携して使用可能
目次
画像高画質化フリーソフトの特徴
ここで紹介するのは、有料ソフトの体験版や機能制限付きの無料版ではなく、オープンソースとして開発・公開されている本格的なフリーソフトです。
それでは、こうした画像高画質化フリーソフトの特徴について見ていきましょう。
✔ 完全無料で利用可能
GitHubなどのプラットフォームから誰でも自由にダウンロードできます。ライセンスの制限も少なく、個人利用にも適しています。✔ アップデート頻度が少なめ
最新のAI技術への対応が遅れがちで、機能面では有料ソフトに比べてやや見劣りする場合があります。✔ サポートは限定的
公式なサポート窓口はなく、使い方の情報やトラブル対応は主にユーザーコミュニティやフォーラムに頼る必要があります。
【無料&制限なし】画像高画質化フリーソフト4選
ここから、画像の画質を向上させたい方に向けて、AIを活用した画像高画質化フリーソフトを4つご紹介します。
1. Upscayl
対応OS:Linux、macOS、Windows
公式サイト:https://upscayl.org/

Upscayl(アップスケイル)は、Linux・macOS・Windowsに対応した無料のAI画像高画質化ソフトです。
Vulkan対応のGPU(グラフィックスカード)が必要ですが、高性能なAIモデル「Real-ESRGAN」を採用しており、失われた細部を賢く補完しながら、自然で高品質なアップスケールを実現します。
Upscaylの特徴
- 日本語対応で、UIはシンプルかつ直感的。初心者でもすぐに使いこなせる。
- 画像を1倍〜16倍まで自由にアップスケールでき、Web用から印刷用まで幅広く対応。
- 複数の画像をまとめて一括処理(バッチ処理)でき、効率的な作業が可能。
- 用途に応じて選べる7種のAIモデルを搭載し、画像に合わせた最適な高画質化が可能。
- 出力形式の選択や画像圧縮など、細かな設定も自由にカスタマイズできる。
Upscaylの基本的な使い方

①. Upscaylを起動したら、左側のサイドバーから「画像を選択」をクリックするか、高画質化したい画像をドラッグ&ドロップして読み込みます。
②.画像の種類に応じてAIモデルを選択します。今回はぼやけた人物写真を処理したいため、デフォルトの「スタンダード」で問題ありません。どのモデルを選べばよいか迷った場合は、各モデルの説明文を参考にしてください。
③.「画像スケール」では拡大倍率を設定します。一般的には2倍程度が目安です。
④.「出力フォルダーを設定」で、処理後の画像の保存先を指定します。
⑤.「Upscayl」ボタンをクリックすると、自動で高画質化処理が始まります。処理が完了すると、高画質化前と後の比較ができます。
⑥.高画質化後の画像を保存したい場合は、右下の「Upscayl」を再度クリックして、ファイルをエクスポートします。
2. Waifu2x-Extension-GUI
対応OS:Windows
公式サイト:https://github.com/AaronFeng753/Waifu2x-Extension-GUI

Waifu2x-Extension-GUIは、ディープラーニング(深層学習)を活用して、画像・GIF・動画の高画質化(超解像)を行うWindows向けの無料ソフトです。
複数のAIアルゴリズムとエンジンを組み合わせることで、アニメ風のイラストから日常写真、さらには動画まで、幅広いメディアの高精細化に対応しています。
Waifu2x-Extension-GUIの特徴
- 静止画だけでなく、GIFや動画の超解像処理も可能。
- Waifu2xやSRMD、RealSRなど、用途に応じて使い分けられる高画質化モデルを複数収録。
- Waifu2x-caffeやncnn-vulkan系など異なるエンジンを備え、幅広い環境での高い互換性を実現。
- CPUスレッド数の柔軟な調整や、複数のGPUを活用することが可能。
- 画質や処理速度を重視した細かな設定が可能で、ワークフローの自動化にも対応。
- ハードウェアや処理対象ファイルに応じたスマートな自動設定機能を搭載。
Waifu2x-Extension-GUIの基本的な使い方
最もシンプルな手順としては、画像をアップロードし、出力サイズを指定した後、「Start」をクリックするだけで、すぐに処理が始まります。
出来上がった画像はこちらです。

Waifu2x-Extension-GUIは、細かい設定を自分で調整したい中・上級者におすすめのソフトです。
一方で、インターフェースは英語のみで日本語には対応しておらず、設定項目も非常に多いため、初心者の方にはややハードルが高く、戸惑う可能性があります。
また、ソフトの起動時には毎回「Premium版」へのアップグレードを促す広告が表示されます。スキップしてそのままご使用できます。
3. QualityScaler
対応OS:Windows11/10
公式サイト:https://github.com/Djdefrag/QualityScaler

QualityScalerは、Windows11/10向けに開発された無料のAI画像・動画高画質化フリーソフトです。
AIモデルには高性能なBSRGANを採用しており、写真や動画の解像度を向上させつつ、ノイズ除去も同時に行うことができます。ノイズの多い写真や古い映像の画質を自然に向上させたい場合に役立つでしょう。
QualityScalerの特徴
- 静止画だけでなく、動画の画質向上や拡大処理にも対応。
- 複数の画像をまとめて一括処理することが可能。
- GPUのVRAMが不足する場合は、大きな画像を自動的に分割(タイル化)・結合して処理。
- 複数のGPUを搭載した環境では、処理を分散させることで高速化が可能。
- 処理前に画像・動画のサイズを任意に調整でき、柔軟なワークフローを実現。
- ソフト全体がバックエンドからフロントエンドに至るまで、すべてPythonで構築されている。
QualityScalerは一般的なアプリのように「インストーラで一発導入」とはいかず、多少の準備と手順が必要です。
具体的な手順は、公式サイト(https://github.com/Djdefrag/QualityScaler)をご覧ください。

QualityScalerは、PythonやVSCodeの操作に慣れている中〜上級者向けのツールといえるでしょう。
4. PNG Upscale
対応OS:Linux、macOS、Windows
公式サイト:https://github.com/Araxeus/PNG-Upscale/releases/tag/v1.0

PNG Upscaleは、画像を高解像度に拡大(アップスケーリング)するための無料ツールです。
その名の通り、特にPNG形式の画像との相性が良く、AI技術を活用することで画質を保ったままPNG画像を拡大できます。
実行ファイル(ExeまたはJar)と、AIモデルが格納された「Models」フォルダを組み合わせて使用する構成となっています。
PNG Upscaleの特徴
- AIモデルを別途ダウンロードして使用する仕組みとなっている。
- AIモデルと実行ファイルを同じフォルダに置くだけで使用可能。
- 操作はシンプルで、モードを選び、画像を読み込み、「Start」ボタンを押すだけ。
- JPEGなども使えますが、PNG形式が最も高精細なアップスケーリングに適している。
- テキストボックスをダブルクリックすることでテーマを変更可能。
操作はシンプルですが、AIモデルの配置や実行ファイルの管理にはある程度のPCスキルが必要です。
そのため、導入に抵抗がない中級者以上のユーザーに向いています。なお、最終更新は2022年6月であり、今後のアップデートは不明です。
感想
今回紹介した4つのフリーソフトは、それぞれ特徴が異なり、目的やスキルに応じて使い分けるのが効果的だと感じました。
Upscaylはシンプルで使いやすく、初心者に最適です。
Waifu2x-Extension-GUIは多機能で、画質にこだわりたい中・上級者向け。
QualityScalerは設定の自由度が高く、GPU環境が整っていれば高速処理も可能です。
PNG Upscaleは軽量で手軽に使え、PNG画像の高精細化に向いています。
いずれも無料かつ制限なしで使えるため、高画質化を試したい方にとっては、まず導入してみる価値のあるツールばかりです。